花を助ける温かいおばちゃん
これは、いつものように自転車に乗り、いつもの通学路で、大学へ向かう途中の話である。
ほんのりと暖かいこんにち、
駅の日陰に少し元気のない緑色の花壇があった。
そこにはとても目立つピンク色の花があり、
しかし、花柄がしおれている。
その花は、明らかに場違いな花で、異様に目立っていた。
私も、そこに目がいっていた。
着慣れた服を着ているような優しいおばちゃんが通りかかり、
同じように、その花の存在に気づいた。
すると、おばちゃんは、
「あらあら、かわいそうな、はなちゃん」
というような感じて、その花柄を空に向かって、まっすぐに手でなおしてあげた。
そのときの、私の心情といったら、とてもとても温かく感じ、
久しぶりに人間の温かな一面を見て、ついつい感動してしまった。
ああいうように、損得を感情にいれずに、人間らしい優しい行動ができるようになりたいと思った。